会長だより ⑲ 惜し、夏

(2023年9月18日)

惜し、夏

緑友会長 川本正人(21期)

 

昨日、二上山に登ると、ツクツクボウシがあちこちで鳴いていました。秋の気配を運ぶその声を、いにしえの人々は「つくづく惜し」と聞き、行く夏を惜しんだそうです。

今夏、酷暑と災害に見舞われ続けた現代人は、とてもそんな気持ちにはなれないでしょう。けれど私には一つだけ、「惜し」と思うことがあります。来年の母校創立70周年に向け、みなさまから広くご支援を募ろうと導入した2,000円定額の「コンビニ振込」が8月末で終了したのです。決済システム会社との取り決めによるものですが、大勢の方々にご利用いただいていただけに、もっとPRできなかったか、期間を交渉できなかったかと、心残りです。

7月の「だより⑮」の続きですが、今年度のご支援は、9月初めまでの5か月間で312万1,360円。昨年度1年分の2倍半になりました。件数は966件。これは4倍です。

金額の4割(117万2,000円)、件数の6割(586件)を占めたのが、6月から3か月間限定だったコンビニ振込。会報と一緒にお送りしたお名前入りの用紙をコンビニに持っていくだけで、会則で定めた応援会費1年分と同じ2,000円を送金でき、ご支援のすそ野が一気に拡がりました。一方、郵便振込によるご支援もグンと伸びました。高額のご厚志に加え、コンビニ振込用紙が郵便局でも使えたことから2,000円のご支援も増加。郵便振込だけで昨年度1年分の合計金額、件数を優に超えたのです。

今年度導入した「同窓会システム」では、ご支援金の内訳をさまざまな切り口で取り出せます。データを卒期順に並べるとグラフのようになりました。折れ線グラフは「金額」、棒グラフは「件数」です。

ご覧の通り、30期生前後(50歳代半ば)より上の世代はしっかり厚く、それより若い世代では一気に薄くなっています。人生の四季で言えば「青春・朱夏」と「白秋・玄冬」の間、ツクツクボウシの声聞くころが境目です。暮らしに多少とも余裕が生まれ、来し方に思いをはせる時期に当たるからでしょうか。

ちなみに金額でトップだったのは21期生(63~64歳)。49件、22万4,000円でした。私の期です。といっても転勤族だった私は級友たちと没交渉。起爆剤となってくれたのは、忘年会などで唯一つながっていた元ハンドボール部の仲間でした。ミニ同期会「バーベキュー大会in長居公園」を企画していた彼は、6月初め、参加者向けのLINEに一言添えてくれたのです。

「別件。お手元に緑友会報が届いているかと思います。会長に頼まれた訳ではないけど、応援してあげて下さい」

それからは「親子で振り込んだ」「ワシも行ってきた」といった報告が続々。バーベキューは雨予報で延期となりましたが、ご支援の方は夏嵐。全卒期を通して最も大口のご寄付もありました。みなさん、ホンマ、ありがとう。

クチコミの威力、ご縁の可能性はすごいです。みなさまもご友人へのお口添えを、ぜひお願いします。

さて、創立70周年に向けた取り組みはあと1年続きます。二上山のように次のピークを作っていくのが私たちの課題。どうしようかと考えながら下山していたら、ツクツクボウシが応援合唱を始めました。

〽 つくづく奉仕 / 続々押―し / すくすくよーし / あぁ、いーよ / 尽くしーよ / しっかりーよ / イェーッ!……。