会長だより ㉓ 繁昌亭をわかせた同窓生トーク

(2024年3月10日)

繁昌亭をわかせた同窓生トーク

緑友会長 川本正人(21期)

話芸の聖地でこんな舞台が見られるとは思ってもみませんでした。上方落語を年中楽しめる天満天神繁昌亭で昨夜開かれた「上方林家 染二爛漫lot.32」。冒頭、染二さん(23期)ら母校出身の落語家4人が「高校同窓生トーク」を繰り広げたのです。校舎や食堂メニューの移り変わりなど一般の方々にはほとんど関係のない思い出交じりにもかかわらず、さすがは人気の実力者たち。10分間、会場に笑いと感嘆の声をあふれさせました。

私のいた1階153席はほぼ埋まる盛況。舞台には座布団が4枚。そこに染二さんが一人座って開幕です。「笑点のように並ぶ座布団。実は私どもが卒業しました大阪府立東住吉高校が今年70周年を迎え、本日出演者の皆さんは、それを考えたわけでもないのに全員同窓生なのでございます」と、いきなり出ました母校の名前。しかも「70周年」の冠付き。

染二さんの招きで登場したのは、若手の桂しん吉さん、桂團治郎さん、笑福亭呂翔さん。まずは卒業期数の自己紹介です。「私は23期生。しん吉さんは?」「普通科換算で40期、途中でできた芸能文化科2期です」と東住吉らしい数え方。続いて團治郎さんが「普通科換算で50期、芸能文化科12期」「ほお、23期はその半分やないか。で、呂翔さんは?」「私は普通科換算で60期」「ええっ!23期がものすごく干からびた感じになるなあ」「そうですね」「そうですねえ? 言うたな! ワシにも考えがあるで!」。卒期ネタでもわかせられるんですね。

話題は若手の師匠選びにも。「芸能文化科で落語を教えていたのはうちの師匠の4代目林家染丸。なのに林家には誰も入門しない」と苦笑する染二さんに、若手が「それは『生徒からは取らん』という話があったから。そのうちスゴい師匠に出会って……」と事情を説明。これに染二さんが畳みかけます。「うちの師匠よりスゴかったんやな」「米朝ブランドに揺らいだんやろ」。文字に起こすとキツそうですが、ナマでは師匠方への敬意が感じられました。

終盤は母校に在籍した有名人。女優の中条あやみさんやマナカナこと三倉茉奈さん、佳奈さんを挙げ、「会うたら『先輩やでえ』って言えるんです」と、こちらまでうれしくさせたうえで、「一番有名な人って誰?」と水を向ける染二さん。「そら今やったら中条あやみさん」と断言する若手を前に渋い顔となり、会場は大爆笑。そこで若手がすかさず「染二師匠が一番です!」。大きな拍手で締まりました。

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さて、この公演を知った私たち緑友会スタッフは、開演前、4人そろい踏みによる母校への創立70周年メッセージを録画させていただきました=写真=。約8分半。直前の打ち合わせのうえぶっつけ本番でしたが、一発OKでした。緑友会ホームページ初の動画として近く公開します。

また収録前には、来場者に配る公演案内チラシの挟み込み作業にもスタッフ5人で参加。あわただしい中で収録に快く応じて下さった皆様を少しでもお手伝いするつもりでしたが、やってみると文化祭の準備のような楽しいひと時になりました。母校の先輩後輩という間柄がそういう気持ちにさせたのかもしれません。皆様、本当にありがとうございました。