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TJMOOK家族が亡くなった後の手続きガイド(宝島社 監修 荒巻善宏(43期)他)
かつて『お葬式』という映画がありました。突然義理の父の喪主となった主人公を中心に右往左往する親族のドタバタを描いた伊丹十三の傑作です。ことほど左様に、誰かが亡くなることは周りの人々を巻きこんで、煩わしく膨大な手続きや細々とした課題整理が求められます。本書はその手続きや知っておきたい知識について、非常に完結かつ判りやすく整理されています。
一周忌までにやらなければならないことをタイムテーブルで分類し、それぞれの項目のインデックスに対象が誰でいつまでにすべきかが明記され、書類の書き方や添付資料についても図解で示されています。
また、本書は家族のためだけでなく、本人の生前整理のコツも示しており、付録として「エンディングノート」がついています。本人が資産、人間関係、葬儀の希望などをとりまとめ、親族と話し合える資料として一家で活用できる良書です。「終活」という言葉が話題となって早や10年。いよいよ多くの人々が直面する課題を見事に解決してくれる一冊です。
荒巻善宏さんは相続税専門税理士法人の代表を務める税理士で、土地相続のための評価テクニックの著作を多数刊行するなど第一線で活躍されています。本書でも相続税や土地相続等税理面の監修を担当されています。

17期 伊原 徹