会長だより ⑥ 怪、快、会則(会費編)

(2023年3月16日)

怪、快、会則(会費編)

緑友会長 川本正人(21期)

 

「会長、寄付と特別会費のお礼状、書いてください」。就任直後、緑友会事務局長の堅固政斗志さん(33期)から受けた初仕事。いきなり「ン?」です。特別会費って何? 卒業時の終身会費で終わりとちゃうかった? なんで「特別」なん?……。思えばこれが、その後も次々とわいてくる「ン?」の始まりでした。

確かに今の会則には、寄付、終身会費とならんで特別会費があります。しかも「卒業後10年」から「年間2,000円を納付することができる」という遠慮に遠慮を重ねた条文。ムムッ、何かある。でも、ベテラン事務局長には何も聞けない、こちらも遠慮がちな新米会長なのでした。

あれから半年余り。調べる糸口を提供してくれたのは、その堅固さんです。年明けから改修中のホームページに、せっせとアップしてくれた過去の会報。画面を開くと記事はすぐ見つかりました。2008年度総会前の26号に「寄付的要素の強い会費を」との会則改正案とその説明。続いて承認後の翌年27号には、生徒定数減(=会員減)であろうとも母校支援を続けるのが「緑友会の役割、使命」とする2代目会長塩谷俊雄さん(2期)の決意表明。

支援にはおカネが要る。でも寄付は心もとなく、終身会費をもらったのに「年会費」とも言えない。そこで任意の「寄付」と義務感を伴う「年会費」の間に「年間定額寄付」を設け、特別会費として毎年のご協力を広く期待したのではないでしょうか。

当時の役員方の心中、すごくわかります。私たちも財政基盤の確立が急務。しかも1年後に創立70周年を控え、何とか母校支援をと思案しているさなかなのです。

特別会費から15年。ご支援いただきやすいよう、記入も手数料もいらないコンビニ振込を6月に導入予定です。特別会費の名称も「応援会費」に改めようと考えています。「年会費」だと任意とはいえ納付させられる印象をぬぐえませんが、「応援会費」なら「よっしゃ、応援したろ」というお気持ちになっていただけるのでは、と誠に勝手な期待で胸をパンパンに膨らませているのです。もちろん金額はそのまま。終身会費の5,000円も据え置きで、こちらはシンプルに「入会金」です。

これらの命名者は、会報委員長の伊原徹さん(17期)。母校の新聞部員から生徒会役員、さらに体育祭実行委員長まで務めた人です。言葉選びのセンス、さすがやなあ。いっそ会長になって、「だより」も書いてくれはらへんやろか(はいっ、ここで拍手!)。

伊原さんは今、6月発行の会報第41号の編集作業真っただ中。私たちが新たに取り組もうとしている事業は、すべてこの号に盛り込んでいます。大事なお知らせとともにお届けしますので、ぜひお目通しください。

会長だより ⑤ 怪、快、会則(役員編)

(2023年3月13日)

怪、快、会則(役員編)

緑友会長 川本正人(21期)

転勤族で緑友会と縁の薄かった会長です。会のルールをよく知りません。というわけで読みました、緑友会会則。いやあ、面白かった。この手の硬い文章で笑いがこみ上げ、長い歴史まで垣間見られるなんて。今回はその中から「役員」についてのご紹介です。

まず構成メンバー。会長、副会長、書記、会計、ここまではわかります。ところが次に「常任幹事」「幹事」とあって「ン?」。卒業時にクラスで2人ずつ選んだあの幹事? もう1,000人を超えとるやん。役員会にはどなたを呼ぶの?

ここで毎週会の事務局に通ってくださる吉田正博さんの登場です。なんと1期生。しかも母校の元教諭(生物)で緑友会の元役員。私にとっては生き神さまです。そのお答えは「せやねえ、以前は7、80人に会議の案内を出してましたねえ」。やっぱり招集してたんや! で、今は? 「来る人が少なくて役員としては有名無実。役員会にも呼ばなくなってます」……。よかった! いや会則上はよくない。けどよかった!

かつては各期の幹事も一緒にワイワイ活動していたのでしょうか。草創期の若いメンバーの熱気や勢いが伝わってくる気がしました。

続きです。幹事の次に「会計監査」とありました。ここでまた「ン?」。おカネの使い方をチェックする役が、おカネを使う「役員」側におるんや。これもみんなでワイワイ、硬いこと抜きでやっていた名残かな?

でもけじめはつけてきたのでしょう。実際、今の会計監査は、言いにくい意見もビシッ。「会長、ちゃんとせなあきませんよ!」と3期下の私にもバシッ。この存在、貴重です。これからもビシバシお願いします。

さらに読み進むと「役員会」の規定がありました。「半年に1回開き、事務処理に当たる」って、事務処理なん? 全員そろってハンコ押したり発送作業したり? もはや「ン?」がエンドレス。けれどこれも、普段から顔を合わせているし特に問題もないしで、集まるのは作業日やったんかも、と想像すると楽しくなります。

その役員会が近くなり、事務局長の堅固政斗志さん(33期)から声がかかりました。「会長、招集通知、出しといてください」。えっ?会則では「書記は会議の通知を発送する」ってなってるで。

う~ん、会則もわかってなかったけれど、不文律はもっとわからん。

 

※ 今年6月の総会で会則の改正をおはかりします。案の全文は4月初めにホームページで公開予定です。

会長だより ④

(2023年3月2日=卒業式を終えて)

「どうする芸文卒業生」

緑友会長 川本正人(21期)

「よっしゃー!」と雄叫びを上げたのは、暮れのサッカーW杯以来。緑友会副会長の末浪芫樹さん(芸文2期)から先月、「芸能文化科の志願者数が定員に達しました」とLINEが入ったときです。簡潔な文面から歓喜をグッと抑える様子が伝わってきて、こちらもグッ。

かつて競争率2倍以上だった同科が、ここ2年は1993年の創設以来初の定員割れ(一昨年0.85倍、昨年0.53倍)。大阪府が「定員割れが3年連続し、改善見込みがなければ再編対象」と条例で定めているためハラハラしましたが、3年目の志願者は定員ぴったりの40人でした。

この間、同科は卒業公演のライブ配信、外部行事への出演など、認知度を上げる施策をいくつも講じていました。中でも特筆したいのは、同科全学年の全生徒による中学校訪問です。生徒たちが自分で連絡を取って母校に赴き、かつての担任や部活顧問らに近況や活動をプレゼン。その結果、中学校から「生徒が見違えるほど立派になっていた」「同科のことがよくわかった」といった感想が寄せられ、出前授業を依頼してくるところまであったといいます。

学科長の久下英孝さん(28期)が、数年前の緑友会報に「行事や芸を頑張るだけでなく、普通科以上に普通の生活をするスーパー高校生であれ」という旨の一文を寄せておられました。その願い、しっかり通じましたね、久下先生。

人類の財産である芸能文化。でもその担い手は、世界中いつの時代でも、必ずしも経済的に恵まれていたわけではありません。定員割れの背景には、コロナ禍で暮らしが不安定になる担い手の姿もあったのでしょう。だからこそ、志願者が少数でも、いや少数だからこそ、その道を志した子どもたちを大事にしたい。人気や経済効率で「教育仕分け」をしてほしくない。そう思うのです。

とは言っても危機は続いています。どうすればいいか。元関西大特任教授の竹内啓三さん(教育行政学、10期)に「実(じつ)を示すことだ」と教わりました。巣立ってからの姿や成果を伝える、ということです。これができるのは卒業生。改修中の緑友会ホームページに会員のSNSリンクを張り始めたのも、みなさんの活躍を広く知ってほしいからです。

在校生は「実」を伝えました。次は卒業生の番。語れることはたくさんあると思います。みなさん一人ひとりが自分の「大河ドラマ」の主人公なのですから。

会長だより ③

(2023年2月27日)

走りませんか? もう一度

緑友会長 川本正人(21期)

一昨日の大阪マラソン。3年ぶりに一般参加が復活し、3万人が大通りを埋めて力走しました。コロナ禍で大会中止が相次いだのに、よくこれだけの人々が走る意志を保っていたものです。

その中に緑友会役員もいました。私と書記の萩原泰之さん(31期)です。

「人生初の長距離走は高校時代の長居マラソン」という方、多いのではないでしょうか。今も続く母校の伝統行事です。私のいた1970年代後半は長居5周+陸上競技場のトラック約2周できっちり15㌔(男子)。本番に備えた走り込みもみっちり。当日はタイムや順位もつけられました。

社会人になってからの私は仕事で不摂生の極み。健康診断で黄信号が灯り出したころ、2011年の第1回大阪マラソン開催が決まりました。思い出したのは長居マラソンです。「もう一度、体を巻き戻せるかな」とウォーキングから始め、運よく出場権を得て完走。52歳でした。

今回は3時間29分。60歳だった前回(19年)の3時間13分より落ちた理由は練習不足。年齢ではない、と思うことにしています。

萩原さんが走ったことは、昨夕ご自身が伝えてこられました。本当に寒く、両脚がつって30㌔過ぎで棄権したそうです。

でも私は知っています。大手IT企業の技術者として相次ぐ徹夜業務をこなし、ご家族の入院手術まで重なっていたことを。これまでもそのご家族を励ますために大会に出ていたことを。自らコースを外れることがどれだけ勇気のいることかを……。よく出たなあ、最後は身も心もつらかったやろなあ、と胸に迫るものがありました。

20人に1人がフィニッシュできず、50人に1人が救護を受けた今大会。リベンジを誓った人も少なくないでしょう。彼もその一人です。

そこで決めました。励ましあって楽しく走る有志の会「チーム緑友」、結成します。離れていてもアプリで走行距離を共有できる時代。長居で練習会を開くのもいいですね。

同好の士よ、ぜひご連絡ください。初心者も大歓迎です。

 

※ご参考:緑友会事務局の堅固政斗志さん(33期)が、このホームページの「日誌」1/18付に長居マラソンの変遷などを記しています。(ご参照はここをクリック・タップ)

会長だより ②

(2023年2月7日)

授業の満足度、5年連続「優」

緑友会長 川本正人(21期)

学校の成績といえば先生方による生徒への評価ですが、今では逆もあります。すべての先生の授業について、全校生が「わかりやすいか」「魅力的か」を評価する「授業アンケート」がそれ。東住吉高校では年2回、座学または実技各9項目の問いに「そう思う」など4段階で回答、マークシート方式で集計しています。先日、今年度2回目の結果がまとまり、5年分をまとめて示していただきました。

それでは成績発表です。全項目の年度内平均は、4点満点で2018年度の3.22から今年度の3.34までずっと右肩上がり。100点満点に換算すると80.4点から83.4点です。よく使われる優・良・可・不可の成績基準では80点以上が優。東住吉はそれが5年連続となります。

これ、府内トップクラスだそうです。確かに、近年の教育環境の激変や価値観の多様化を考えると「満足度80%」だけでも至難の業。しかも、伸びしろの少ないその数字を毎年伸ばし続け、コロナ禍で授業が制約された2020年度以降も上昇基調に揺るぎがないとは。先生方、大アッパレです。

ここでうれしいお話です。なぜコロナ禍でも満足度が高まったか。理由の一つに、緑友会が寄贈した情報通信機器の活用があります。

緑友会は2017年度、PTAなどと協力して全教室に電子黒板などを配備。さらにコロナ禍の21年、1人1台のタブレット端末配備に向け、府教委からの貸与では足りなかった4台を贈りました。これらを先生方がしっかり使いこなし、新型コロナ感染症などで登校できない生徒への全授業ライブ配信、体育祭の3年ぶり開催に向けた演技や製作の記録動画配信などを実施。学校閉鎖の緊急連絡、生徒からの欠席・遅刻連絡といった双方向の情報伝達もリアルタイムです。

「うちって電子化モデルでも『優』やんか」と、こちらまでドヤ顔になりました。

会長だより ①就任ごあいさつ

(2023年1月23日)

縁は異なもの――ウクライナ余波

 

緑友会長 川本正人(21期)

今それを言われたら断れんやろ、という場面があります。昨年5月、当時の緑友会長坂田繁数さん(12期)から入った電話がそれでした。

「ウクライナ支援がしたいねん。会長を代わってくれへんか」

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